こことあそこ

チョコレートがおいしいわけ / はんだのどか

 アルジェリアで邦人10人が死亡した人質事件、犯人への同情は無いがあそこ(あの国)ではテロリストになる根底に貧困がもたらす社会への影響が大きく横たわっているのだろう。

 先日子供を連れツタンカーメン展へと向かったが4時間待ちで急遽チョコレート展へ、チョコレートの明るさを感じ、親バカの私は子供もはしゃいでいるので”チョコレートがおいしいわけ”という絵本を購入し帰宅した。数日後FMラジオである映画の特集があり、ガーナにおけるチョコレート原材料(カカオ)の取引で生産者の権利を守る事ができず、児童労働(賃金が安く義務教育を妨げる18歳未満の危険で有害な労働)を生むのを知った、調べるとあるのはチョコレートの暗さだった。

 ネットで調べた程度の知識で声高々に世界平和を叫ぶつもりはないが、ここ(この国)で盲目に不正搾取していたものを少し見つめ正当に戻すだけで、どこかの国で貧困の連鎖は断たれるのかもしれない、こことあそこが少し繋がりどちらの社会も改善されるのかもしれない。

 ここの小さな行為が、あそこに繋がり社会に大きな影響をもたらす、個人・団体(建物)と社会(街)との接点に存在し建築という大きな行為を行い社会に影響をあたえる者としては、小さな行為から社会に与える影響を見逃すことなく提案できるよう日々訓練しなくてはならない。

 映画ではバレンタインにフェアトレード(生産者の権利を守るための貿易のかたち)チョコレートの販売活動を始めるが散々な結果となるらしい、しかし私は今年のバレンタインデーには子供にフェアトレードチョコレートを贈ろう。ここの我が子の小さな幸せがあそこの子供達とシェアできるかもしれない、その小さな気持ちや行為がここからあそこへと繋がっていけばとても幸せな社会が形成されると思う。

雪と紫陽花

ajisai[1]

2013.1.14大雪、雪を見ると紫陽花を思い浮かべる。

“雪→雪国→志賀直哉→白樺派→聖職の碑(登場する教職員が白樺派:新田次郎著)→慰霊碑→紫陽花”

後半を説明すると、私の出身小学校が(実話を基にした)“聖職の碑”の舞台で、校内に慰霊碑があり年に一度全校生徒で献花する習慣があった。そこに毎年母が庭で採った紫陽花を町民新聞に包み献花していた、という私的体験がありやっと雪から紫陽花へと辿りつく。

一見他人には不可解な団体や個人の固有の体験や思い、建築はこれに社会性を与え形にし社会に還元していく側面をもつ、これからも一つ一つの思いを丹念に確認し形にしていかなくては…

本年もよろしくお願します。

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新年あけましておめでとうございます、本年もよろしくお願します。
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